家族以外に介護を依頼する場合は、
介護保険サービスを利用することが一般的です。
ここでは、在宅の介護保険サービスを利用した場合の料金の目安について、ご紹介します。

在宅の介護保険サービスの料金について

介護保険サービスは、在宅で利用した場合は、利用した分だけ支払う仕組みです。
自己負担分として支払う金額については、
利用者の収入等に応じて負担割合が1~3割と決まっています。
自身の負担割合については「介護保険負担割合証」で確認できます。

支給限度額まで利用することは、あまりありませんが、
その負担割合で利用できる1か月の支給限度額は以下の通りです。

介護度 支給限度額 1割 2割 3割
要支援1 50,320円 5,032円 10,064円 15,096円
要支援2 105,310円 10,531円 21,062円 31,593円
要介護1 167,650円 16,765円 33,530円 50,295円
要介護2 197,050円 19,705円 39,410円 59,115円
要介護3 270,480円 27,048円 54,096円 81,144円
要介護4 309,380円 30,938円 61,876円 92,814円
要介護5 362,170円 36,217円 72,434円 108,651円
介護度別の支給限度額

ちなみに、支給限度額を超えた場合は、全額自己負担になります。
一人暮らしで要介護3・4・5の方で、毎日の介護が必要になると、
限度額を超える場合がたまにあります。

それでは、ここからは、介護サービスごとに個別に見ていきましょう。
サービスを提供する事業所によって、加算などにより料金が異なります。


また、実際には1か月単位で、料金を計算していくので、端数が異なる場合があります。
ここで紹介する料金は、最低料金の目安としてください。

訪問介護で家事を行った場合

訪問介護は、「家事支援」と「身体介護」に分かれます。
訪問介護で、食事の準備や洗濯、掃除、買い物代行を行たった場合は、「家事支援」となります。

要介護1~5の方では、サービス提供時間により料金が異なります。
1回あたりの料金を紹介します。
・「20分以上45分未満」で1,886円(1割の場合188円)
・「45分以上75分未満」で2,323円(1割の場合232円)です。

要支援1と2の方は、自治体により異なりますが、足立区では、
・1回2,816円(1割負担では282円)です。

要支援の方は、回数の制限があります。
・要支援1の場合は週2回まで、
・要支援2の場合は週3回までです。

訪問介護でお風呂に入れてもらった場合

お風呂に入れてもらう行為は、「身体介護」になります。
身体介助は、要介護1~5では、サービス提供時間により料金が異なります。
1回あたりの料金を紹介します。
・「20分以上30分未満」で2,827円(1割の場合282円)
・「30分以上1時間未満」で4,492円(1割の場合449円)です。

要支援1と2の方は、1回3,112円(1割の場合311円)です。

提供時間の目安は、
入浴前の体調確認、衣類の着脱、洗髪、洗体の介助であれば1間程度です。

訪問介護にオムツ交換をお願いした場合

オムツ交換は、「身体介護」になります。
サービス提供時間による料金は、上記と同じです。
何をしてもらうかで時間が変わってきます。

ベッド上でのオムツ交換は準備から後片付けまであれば、
約30分で2,827円(1割の場合282円)です。

状況によって時間が延びる場合があり、その場合は料金が上がります。

訪問介護に通院を依頼した場合

病院への通院介助は、「身体介護」の料金になります。
ただ、「介護保険の対象の範囲」と「介護保険の対象ではない範囲」に分かれます。

「介護保険の対象の範囲」は、外出準備、往復の移動介助、病院での診察券の提出、診察料の支払いなどです。

「介護保険の対象ではない範囲」は、タクシー利用の場合の移動時間や、
待合室で診察を待つ時間、先生の診察を一緒に聞く行為です。

「介護保険の対象ではない範囲」は、訪問介護を提供している事業所により料金が異なります。
1時間3000円前後かかることが多いです。
「介護保険の対象ではない範囲」は、全額自己負担となります。

デイサービスを利用した場合

デイサービスは介護度や滞在時間によって料金が異なります。
入浴や機能訓練など利用する内容によって、様々な加算があります。

デイサービスには、大きく分けて、半日型と1日型があります。

半日型のデイサービス

半日型は、3時間ほど、デイサービスに滞在します。
午前中または午後の利用になります。
半日型の多くは運動中心です。食事の提供は基本的にありません。
フィットネスジムのようにマシーンが複数台置いてあり、体を鍛えることができます。
足立区には、入浴に特化した半日型のデイサービスもあります。

半日型の料金は、
・要介護1では、4,011円(1割の場合402円)
・要介護2では、4,588円(1割の場合459円)
・要介護3では、5,199円(1割の場合520円)
・要介護4では、5,777円(1割の場合578円)
・要介護5では、6,377円(1割の場合638円)
です。

1日型のデイサービス

1日型では、5時間~7時間ほど、デイサービスに滞在します。
朝から夕方までの利用となります。
運動、入浴、食事、リラクゼーションなど、
様々なメニューを用意しているところが多いです。

運動についても、マシーンを置いていたり、機能訓練の専門家が指導していたり、
様々な運動できるように工夫されています。

食事やおやつの提供を行っているところが大半で、
栄養面でしっかりとした食事を楽しみに利用される方もおります。

1日型の料金は、利用時間により異なりますが、
例として7時間以上の場合は、
・要介護1では、7,139円(1割の場合714円)、
・要介護2では、8,425円(1割の場合843円)
・要介護3では、9,766円(1割の場合977円)
・要介護4では、11,096円(1割の場合1,110円)
・要介護5では、12,447円(1割の場合1,245円)です。

要支援の方は半日型でも1日型でも同じ料金です。
ただし、利用できる回数に制限があります。
要支援1の方は週1回まで、要支援2の方は週2回までです。
1回4,229円(1割の場合423円)です。

デイサービスで入浴した場合

要介護の方が、
デイサービスで、入浴した場合は、基本料金に
1回あたり、436円または545円(1割の場合43または54円)、
かかります。

車椅子の方でもお風呂に入れる設備を整えているところが多いです。
なお、デイサービス自体を利用しないと、入浴介護を受けられません。

要支援の方は、入浴した場合は、基本料金内で入れます。
ただ、要支援の方向けに、入浴を提供しているデイサービスは
限られているので、事前に確認が必要です。

介護施設に数日泊まった場合

ショートステイの料金は、
①基本料+②部屋代+③食事代です。

こちらが、滞在日数分かかります。
旅館などと違って、1泊いくらではなく、
1泊2日した場合は、2日分の料金がかかります。

ショートステイには、個室と多床室があります。
基本料は、部屋により異なります。
多床室は、4人部屋が多いです。

①基本料は、介護度によります。
要介護の方の場合は、
・個室の場合、1日8,192円~11,289円(1割の場合819円~1,129円)
・4人部屋の場合、1日6,616円~9,701円(1割の場合662円~970円)
がおおよその目安です。

②部屋代と③食事代は、介護保険の対象外のため、実費負担になります。
②部屋代は、個室だと2,000円~3,000円、4人部屋だと600円~850円が、
足立区のショートステイの料金として多いです。
実際には、その施設により料金が異なるので、確認が必要です。

③食事代は、1日1,600円~2800円です。

②部屋代+③食事代は、収入などに応じた減免制度を利用できる場合があります。

実際の料金は?

これまで、代表的な介護保険のサービスの料金をご紹介しました。
利用状況によって、それぞれの介護サービス提供する事業所によって、
料金は異なります。

また、ここで紹介した以外にも多くの介護保険のサービスはあります。

そうなると、実際に利用する場合の料金がわからないと思いますが、
ご安心ください。

担当の介護支援専門員がついていれば、
介護保険サービスを利用する場合は、
事前に料金を試算します。

その料金を確認して、
利用するかどうかを考えてから、
サービスを申込ができます。