「介護保険はどこまで対応してくれるの?」
初めて介護保険を利用する時にわからないと思います。
介護保険では「できること」「できないこと」があります。
個別の事情により、異なりますが、
ここでは、一般的なルールを、ご紹介します。
基本的には日常的なこと
介護保険で多くの方が利用される「訪問介護」でできる範囲は、
「日常的なこと」に限定されます。
買物代行では、日々の食事や洗剤など日用品が対象となります。
お酒やタバコなどの嗜好品、その他市販薬や家具や家電などの購入は対象外になります。
その他、大掃除や窓ふき、庭の草むしり、ペットの世話なども対象外になります。
同居家族がいると家事の援助が行えない
同居家族がいる場合は、訪問介護による調理や買い物代行、
洗濯、掃除などの家事の支援は、介護保険の対象外となります。
日中、同居家族がいない場合は、調理などは一部で提供できる場合があります。
ただし、同居家族のための調理は、介護保険の対象外です。
外出介助は限定的
訪問介護で外出介助ができますが、通院の介助でも単なる付添いである場合は介護保険の対象外です。
その他、旅行、娯楽目的や冠婚葬祭の付添いは介護保険の対象外となります。
介護タクシーについては、乗り降りの介助の部分は介護保険内ですが、
移動中の運賃は介護保険の対象外です。
自立支援という視点で介護を利用すること
介護保険制度には、自立支援という理念があります。
利用者が、自分の持てる能力を生かしながら生活を送ることができるようにすることです。
人にしてもらった方が楽ですが、やらなくなれば要介護状態が悪化します。
自分で行えることは工夫して、継続することが大切です。
そのため、ご自分でできることを介護保険で対応することはできません。
例えば、ご自身で掃除ができるのに、訪問介護に掃除を依頼することはできません。
ただ、一人で行うのが不安がある場合は、訪問介護のヘルパーと一緒に行うことはできます。
福祉用具はレンタルについて
介護用ベッドや車イス、その他、介護に必要な福祉用具の一部を、
介護保険を利用してレンタルできます。
介護度に応じて、介護保険の対象となる福祉用具と対象とならない福祉用具があります。
介護用ベッドや車いす、徘徊感知器はいずれも要介護2以上になります。
ただし、要介護2よりも軽い介護度の方でも、必要性が認められればレンタルできる場合があります。
介護度により限度額がある
介護度別に、介護保険で利用できる1か月の限度額があります。
限度額内であれば、介護保険から給付が受けられるので、
自己負担は、1割から3割の間での支払いになります。
なお、自己負担は利用者の収入などにより応じて決定されます。
1か月の限度額を超えた部分は、全額自己負担となります。
ショートステイは日数が決まっている
介護施設などを一時的に利用できるショートステイがあります。
ただ、1回の利用で連続して泊まれるのは30日間までです。
また、介護保険被保険者証の有効期間のうちの半分までと定められています。
例えば、有効期間が2年間だった場合、1年(365日)が最大で利用できる日数になります。
まとめてとる方もいれば、定期的に決まった日数取る方もいます。
介護保険外の介護サービスも活用できる
以上のように、介護保険ですべての介護に対応はしていません。
介護保険で提供できないことは、介護保険外の介護サービスがあります。
有償ボランティア事業や、訪問介護が独自に提供している自費サービス、家政婦サービスなどがあります。
1時間あたり3,000円前後が多いようです。
福祉用具についても、自費でレンタルや購入するができます。
費用はかかりますが、介護保険外の介護サービスも有効に活用することで、
在宅での介護サービスを継続していくことができます。
こころみでも、足立区内の方向けに、介護保険外の介護サービスを提供しています。
お気軽に、介護についてご相談ください。